■年表
197111xx 大学執行部が各学部の教授会に対して、「視力障害者」の入学に関する討議を依頼した。
xxxx 教授会は「視力障害者」の入学を各学部1名のみに制限し、法学部については2名在籍中のために当分は入学を受け入れないとの決定を行った。
1972
02xx 執行部は中垣教授および教務課長を「京都府立盲学校」に派遣し、入学制限を伝えた。
07xx 問題の提起が始まった
1012 最初の公開質問状を提出する
1021 最初の公開質問状の回答期限
1026 二度目の公開質問状を提出する
1107 大宮・深草の両学舎に対して回答を出すように要求
1113 三度目の公開質問状を提出する
1115 口頭で公開質問状に対する回答を受ける
1116 入学抗議集会
1124 四度目の公開質問状を提出する
1206 抗議集会(図書館前広場・主催は盲xx人五人会および盲人五人会を支援する会)
1212 ストライキ:執行部から14日に回答するとの確約を受ける
1214 執行部からの回答確約期日:「紙きれ一枚」の回答が届く
1214 回答要求決起集会が開かれる
1218 執行部からの回答に対する抗議のピケットを行う
■資料
◆資料a :
「視力障害者」入学制限は終っていない! 12・18執行部の逃亡に対し抗議のピケで闘おう我々は12・12のストライキを学友とともに貫徹する中で、執行部から14日に回答する確約を勝ち取った。そして14日に”全学討論集会”に集まった学友と共に、学生課に行ったところ、我々に対し、何の説明もない一枚の紙きれが渡されたのみであった。
『私学の現状にかんがみ、本学においても「視力障害者」のための特別施設を置くことは、困難な状況にあるが、視力障害者の受験入学については、原則として制限を加えない。
12月14日
龍谷大学
龍谷大学短期大学部』
我々はこんな回答で済ませようとした大学当局に対し、話し合いと、次の事項を明らかにする様、要求する。
1. この回答はどのような討議内容のもとで出されたのか。詳しい経過を説明せよ。
2. 「視力障害者」の入学制限をどのようにとらえ、自らをどのように反省したのか。
3. 史学科、福祉学科等は、具体的にどのように「視力障害者」を受け入れるのか。
4. 保障はどのような方向で考え、どのような場で長期的に考えていいこうとしているのか。
我々はこれらの点に対する回答が出ていない以上、制限が撤回されたなどと考えることはできないのである。入学制限は除かれはしたが、勉学範囲の制限にどのような姿勢で対処してゆこうというのか。12・12のピケットをはっていた我々に対し、教授達は「入れろ。入れろ。研究の妨害をするのか」と怒鳴った。彼らは同じように「視力障害者」が竜大の内に門に対し「入れろ。入れろ。我々の教育を受ける妨害をするのか」と叫ぶ声を忘れたのか。彼ら・執行部は、その責任と罪の深さにおいても、学友前で自ら回答を、誠意をもって明らかにする義務があるのである。我々はこれらの問題が解決するまで入学制限が終わったなどと考えることはできないのである。
14日の回答を、紙きれ一枚ですまし、我々の前から逃亡している大学執行部に対し、我々実行委は怒りをこめて、本日、18日ピケットによって抗議するものである。
当局は本日12じ半より我々との話し合いにおうぜよ。その場において、「視力障害者」に対する差別に関して、自己批判し、保障問題に対して、誠意ある態度をせよ。
本日12じ半 15大
執行部との話し合いに全学友が結集せよ!
◆資料b :
入学制限に抗議する【】に協力を!「視力障害者」入学制限について抗議する実行委員会竜谷大学全ての学生諸君!これまで何度も訴えてきたように大学側は今年度の入試の際、「視力障害者」の入学をまったく一方的に制限することを決定しました。すなわち本学を受験する「視力障害者」はたとえどんなに成績がよくても各学部1名しか入学させない。法学部に関しては二名在学中だから、当分入学を認めないというものです。その理由は「視力障害者」がたくさん学内をウロウロ歩くと非常に危険だからとか、入学させてもあとの保障ができないというのです。しかし、今在学中の数名の「視力障害者」に対しても歩行の安全や講義の便宜を保障することなど、ほとんど行われていないのです。
今、竜大で学んでいる諸君達と同じように、人間として日本に生まれた「視力障害者」が憲法で保障されている権利も、支配者や管理者の都合で一方的に奪われていることはどうしても納得できません。
大学側が本当に「視力障害者」の教育について考える意志があるのなら、まず在学中の「視力障害者」や受験生、盲教育関係者などと真剣に話しあって問題点の一つ一つを解決していく姿勢を示すのが本当ではないでしょうか。「盲人は何もできない」という偏見や無理解のために「視力障害者」の多くが教育や労働の場からしめだされているのです。最近の社会では隣で人が殺されても知らん顔しているといった利己主義と退廃が横行しています。しかし、そんな無関心がやがては自分自身にも被害をもたらす可能性のあることをはっきりと確認する必要があると思います。
また、本当に全ての人が平和に生きていくためには差別する者とされる者といった関係を全ての人がなくす努力をすることが必要なのです。
我々実行委は左にかかげる五つのスローガンをもとに署名運動や学校側との話し合い、学生による抗議などの運動を展開し、今年度の入試時には二度とこのような差別をさせない決意です。
この運動にできるだけ多くの学生や教授をかくとく(ママ)、また学校側に対して我々の運動のもりあがりを示すため当面は署名運動を展開します。できるだけ多くのみなさんが署名され、クラスやゼミなどの決議にあげ実行委に参加されて入学制度を白紙撤回させるまで共に運動しようではありませんか。
要求項目
一、「視力障害者」に対する入学制限を白紙撤回すること
二、「視力障害者」の為のリーディング室を設置すること。
三、図書館に点字の辞書類を置くこと。
四、点字タイプライター、テープレコーダー等の「視力障害者」の点訳、リーディングに最低必要な用具を保障すること。
五、すべての教授会は実行委との話し合いに応ずること。
毎、月、水、金、実行委員会
於 点訳サークルBOXPM.4時より
◆資料c :
11・16 入学抗議集会に更なる結集を!全ての龍谷大学の学友の皆さん
すでに皆さんは大学当局が行った「視力障害者」入学制限について確認されているであろう。在学中の「視力障害者」が中心となって結成された我が「視力障害者」入学制限に抗議する実行委員会は一貫して入学制限白紙撤回要求と在学中の「視力障害者」の学習【権】保障を要求し、署名運動、クラスへの訴え等を通して運動してきました。
だが、全ての学友のみなさん。学校当局は、私達の要求に対して一度でも誠意ある態度を見せただろうか。断じて否である。私達は10月26日に二度目の公開質問状を出し、11月7日に大宮・深草両学舎(ママ)に回答を示すように要求したにもかかわらず当局は何らの回答を示さず責任の所在をあいまいにするだけで平然と居直りました。このように当局は「視力障害者」が勉学の苦労を彼らを切りすてることによって解決しようとした自らの犯罪性を何ら見つめることなく、できる限り、にげまわろうとしているのです。それが、我が龍谷大学の管理者達の姿なのです。
だがしかし、皆さん、私達実行委は日々強まりゆく白紙撤回要求の声に当局がいつまでも逃げられないのを知っている。私達は更なる【怒り】を込めて11月13日公開質問状をつきつけ、私達はまた何度でも質問状を突きつけるだろう。
全ての学友の皆さん、私達は11月6日12時より学館前において当局の数々の居直りに対して抗議集会に結集され、入学制限白紙撤回要求を断固としてかかげ共に運動されることを強く訴えます。
要求事項
1、「視力障害者」の入学制限を白紙撤回し、短大を含めて、全ての学部の入学を認めること。
2、「視力障害者」の為のリーディング室を設置すること。
3、図書館に点字の辞書類を置くこと。
4、点字タイプライター、テープレコーダー等の「視力障害者」の学習活動に必要な用具を保障すること。
5、大学当局は、我々との話し合いにすみやかに応じること。
「視力障害者」入学制限について抗議する実行委員会
◆資料d :
12・12ストライキへ 全学討論集会へ結集せよ<本日 1:00~ 【】303教室>
諸君!我々「視力障害者」入学制限について抗議する実行委員会は明日12月12日、この問題に対して顔をそむけてきた教授、助教授、および職員に対し、ストライキで、真向からこの問題をつきつきよう(ママ)としている。彼らは、この問題に対して、真に考えようとする姿勢を示さなかった。そして今も又、我々の要求から逃げようとしている。我々は7月以来何回もこの問題を提起してきた。2万枚にわたるビラ、100回にも及ぶ署名活動、6日間のすわり込み、各新聞による提起など、我々20名たらずの学友の全力つくして、この問題を知らないなどとは言えない程の情宣活動をやりつくしてきた。しかし彼らはこの問題を積極的に開放の方向へ考えなかった。ある教授は我々の署名運動の前を素通し(ママ)、又ある人は我々の追及に自己の見界(ママ)を出さずに黙り込んだ。我々はこれ以上彼等の自主性を待つ事はできない。彼らと1対1で真正面から、この問題をつきつけ、自分自身のこの問題に対する姿勢を聞き出すまで、我々は、決してひきさがる事はできない。我々は全「視力障害者」の大学教育を受けたいという願いを実現すべく、 12月12日 に全学ストライキを決行する。
諸君「視力障害者」入学制限に抗議する1165名の声をムダにすることなく、ストライキを成功させるべく、全学友の協力を願望する。
そして、本日12月12日の討論集会に、圧倒的学友の結集を、強く訴える!
◆資料e :
ストライキ闘争の成果を踏え、白紙撤回勝利へ向け前進しよう!12・14回答要求決起集会へ!竜谷大学の全ての学友諸君へ。
12・12 我々実行委は「視力障害者」を不当に排除してきた大学当局との実力による対決、そしてこの差別決定に加担してきた教授一人一人に対する球団、更にはこの問題を無関心に見過ごしてきた学生に対する告発として全学ストを決行し、最【後ま】で貫徹した。
我々の怒りの球団に恐怖した当局は、執行部代表として増【未】と高林を送り「直ちに門を開け」と恐喝を加える一方、「14日に回答してやる」という管理者そのものの姿勢を示してきた。これに対し、実行委をはじめ数百の学友はこれまでの我々の闘いに対する無視と管理者的対応に断固たる球団と自己批判を迫り、ついに彼らはそれを認めた。
大学当局は今や窮地に陥っている。彼らの道理が論理が破綻していることを認めざるを得ない。にもかかわらず彼らは我々の白紙撤回要求の本質を歪曲し、事務処理的に「これ以上闘いが盛り上がると厄介だ。」「何も保障しなくてもいいなら入学させてもよい。」といった実に欺瞞的対応に出ている。
諸君!我々はどのような意味で白紙撤回を要求していたのか。当局の責任逃れや体制維持の為に「視力障害者」の教育権を一方的に踏みにじり、大学や社会から排除しかねない彼らの思想性に対してではなかったのか。
常に資本の要請に左右されている大学に対して、我々はその有り方を問い返してきたのだ。「視力障害者」など一部の人間を排除したところで行われている。学問とそれを【知識】としてのみ研究し、【訂正】していない教授に対して問い返してきたのだ。我々は当局のごまかしを絶対に許さない。彼らの不当な差別によって一生を踏みにじられた「視力障害者」に対し彼らはどう責任をとるのか。大学執行部及び教授一人一人は【全国】の全ての「視力障害者」と我々の前に心から自己批判せよ。我々実行委は「視力障害者」をはじめとする全ての「障害者」の教育権を当局が完全に認めるまで闘いつづけるであろう。
12・14は当局が回答を約束した日である。全ての学友が 【12じ半より】15号大教室でお行われる回答要求決起集会に結集し入学制限白紙撤回と彼らの自己批判をかちとるためにもたたかわれるように強く要請する。
我々は紙切れ一枚の回答を絶対認めない。
当局は誠意をもって我々との話し合いに応ぜよ。
「視力障害者」の入学制度に抗議する実行委員会
◆資料f :
学内における「障害者」差別と闘おう!新入生諸君 全「障害者」諸君
同情・融和(ママ)を乗り越えて、「障害者」差別を許さず
「障害者」の自立と解放に向けて闘おう!
「障害者」解放研究会に結集しよう!!
各方面で「障害者」に対する福祉・ボランティアから国民春闘での「弱者救済」等々に至るまで「障害者」問題が、声高く叫ばれたのも束の間、現在のスタグフレーション(不況とインフレの同時進行)下では、真先(ママ)に「障害者」が首を切られ、【職場】を追い払われ、その攻撃に対して、それらは何ら力を持ち得ていないのが現状です。
そのことはそれらの問題意識の低さ、事実認識の朝さ、その限界性を露呈したものと言わざるをえません。そして、その発送には「めぐまれない人達」「自分(「健全者」にとって)」とは違う人達」等々が根底にあり、それそのものが差別意識に貫かれています。「弱者救済」においても、一見差別を克服するかに見えて、実は人間関係に根深い下記ねを生み出し、「上位者が下位者をすくいあげること」に変わりありません。
「障害者」は、職業につけたとしても劣悪な労働環境で低賃金で働かされ、まさに企業の安全弁として不況になればぞうきんのように使いすてにされているのが現状です。生産性向上ー合理化によっては、収奪され、首を切られ、その合理化は労災・職業病を多発し、新たに「障害者」が作り出され首を切らて(ママ)いくのです。そういった循環が形成されて「障害者」差別も拡大されます。
現在、労働運動では、労働者は自らの内なる「障害者」に対する差別意識・偏見(それは資本制社会が拡大し生み出す差別の反映であり、無意識な支配階級の屈服の結果)を克服し、社会的差別を自覚し、労働運動と「障害者」解放運土うを結合して闘うという先進的部分も、多く登場しています。
そして、私達学生は、学園での「障害者」差別と闘わなければなりません。
一般に「障害者」は小学校に入学する時から就学猶予・免除と教育権を奪われ、入学出きたとしても、盲学校・ろう学校・養護学校という隣の子供が行ってる学校じゃなくて遠くの学校へ行かされます。「障害者」は、遠くへ隔離され、「健全者」社会からしめ出されており、「健全者」は「障害者」に接する機会も少なく、「障害者」に対する偏見も助長され差別も生み出されるのです。「障害者」(特に脳性マヒ者)は、知能面で低下しているという世間の無知・偏見が広くはびこっていることもその現れです。しかし事実は知能面は普通人と同じであり、今日では言語障害・肢体不自由等のため、教育の場を締め出されたが、その場が十分に与えられなかったによる(ママ)、後天的・社会的原因に基づく知能のおくれが認められるというだけです。しかし、何故に「障害者」の教育権が剥奪されているのかと言えば、それは現在の教育が生産第一主義・差別・差別ー能力主義の教育体制に貫かれているからに他ありません。
龍大においても「障害者」特に視力障害者に対するロコツ(ママ)な差別があります。72’年度、当局は「視力障害者」を入学制限しましたが、私達の闘いで白紙に撤回したものの、実質的により巧妙な手口で入学制限を行っています。入試における差別ー漢字という表現方法のない視力「障害者」に平然と漢字の問題が出題され、解答不可能なのにそれ個人の能力に帰し、また点字という表現方法のため「健全者」の1.5倍~3倍の時間がかかるにも関わらず、高々15分間の延長であり、また漢字の一字と点字の一字とでは、当然異なるにもかかわらず同一に字数制限したり、ロコツに差別し「障害者」を切り捨てています。また学習保障を要求しても、回答らしい回答もせず自らの教育者としての立場さえ放棄しているのです。
私達は、一切の幻想を抱くことなく、はっきりとこの現実を直視し、あらゆる人間関係の根底に触れる問いかけとして、自らの日常性を見つめ直し、自己を変革していかなければなりません。そして私達がいかなる時代の落としであるかを確認し・・・全ゆる差別と闘うことこそが親鸞精神ではなかったのでしょうか。
龍大「障害者」解放研究会
◆資料g :
偽善者当局の面の皮を剥がせ!ー本年度入試における視力「障害者」差別糾弾!
ー竜大当局の差別・選別教育体制糾弾!
1 実践的学(ママ)を奪回せよ!
竜谷大学の受験生の皆さん。
今日、あなたがたは、本学を受験されたわけですが、そこには「選別する者」ー「受験する者」といった上下の関係=支配ー被支配の関係が存在し、そこを経て、はじめて字を学ぶ場が与えられる。そしてそこでの教育とは、教師が学生に対して、たんに知識を一切れいくらで切り売りするのであり、学生は所詮それを書いとる客体として存在しうるにすぎない。そこには本質的に教育の主体者としての学生は存在していない。また決して、教授と学生とが、それぞれの自己世界の改造をしていく緊張関係ー厳しい対等関係を本質的な基軸としていない。ただそこには、提示の能力主義と選別主義があるだけである。
我々は、あらゆる人間関係の根底に触れる問いかけとして、常に学問とは、大学とは何であり何でなかったのかを問いつつ、自己の人間としての世界を主体的に想像しうるよう、学を奪回していこうではないか。
そして我々がいかなる時代の落とし子であるかを確認し、事故の存在にかけても・・・・。
端的にはそういった矛盾が契機となって、問題は露呈するのだが、我々はさらにこれらの問題をより深く掘り下げ、具体的な問題へと移らなければならない。
2 個別・竜大での「障害者」解放の闘い
現在、政府ー自民党は、優生保護法改悪等にみられるように「障害者」 【以降劣化のため読み取れず】
◆資料h :
視力障害者は大学に入れない?盲学生五人会
それを支援する会
厳しい受験戦争を闘ってこられた皆さん。
皆さんはこの入試のためにどれほどの汗と涙を流されただろう。
その苦労は言語に尽くせない者があるにちがいない。
しかし、皆さんと同様に日夜勉強に励んだ盲学生は門を閉ざしている大学の多い中で数少ない大学を受験するしかない。その上、入試問題に「点字」にない漢字の問題が出されたり、点字では問題を読むのに時間がかかるのに、試験時間が普通の時間であったりしている。これは盲学生に不可能なことを要求する大学側の盲学生への就学拒否に他ならない。昨年も当大学もう受験生がわずか10点差で不合格になっている。これはもし漢字の問題が変更されていたら得点可能な数字である。
我々盲学生五人会及びそれを支援する会は大学によるこの「盲学生への差別」を怒りをもって訴えるものである。
盲学生は高校においても受験参考書の附則、理科系学科の学習困難などのために大変な苦労をして受験しているのである。それを全く不可能な入試問題のために不合格にされるのではあまりにも不平等である。
皆さんも同じ受験生としてこの苦痛を想像できることを思う。このような苦難をのりこえてめでたく合格した盲学生に対して、大学当局は入学後もほとんどまったくといってよいほど学習保障していない。
そこで我々盲学生五人会とそれを支援する会は、この様な「入試における不平等の是正」「視力障害者に対する学習保障」を大学に、要求し「四項目要求」を大学執行部に公開質問状として提出した。しかし、大学側は「現在の予算ではムリ」「今後も予算上不可能である」など、全く誠意のない解答(ママ)をしている。我々は、この様な大学側の姿勢に断固行為してゆかねばならない。皆さんがこの問題を知り「四項目要求」の署名活動に参加されることを切望するものである。
◆資料I :
入学制限に抗議する【】に協力を!「視力障害者」入学制限について抗議する実行委員会竜谷大学全ての学生諸君!これまで何度も訴えてきたように大学側は今年度の入試の際、「視力障害者」の入学をまったく一方的に制限することを決定しました。すなわち本学を受験する「視力障害者」はたとえどんなに成績がよくても各学部1名しか入学させない。法学部に関しては二名在学中だから、当分入学を認めないというものです。その理由は「視力障害者」がたくさん学内をウロウロ歩くと非常に危険だからとか、入学させてもあとの保障ができないというのです。しかし、今在学中の数名の「視力障害者」に対しても歩行の安全や講義の便宜を保障することなど、ほとんど行われていないのです。
今、竜大で学んでいる諸君達と同じように、人間として日本に生まれた「視力障害者」が憲法で保障されている権利も、支配者や管理者の都合で一方的に奪われていることはどうしても納得できません。
大学側が本当に「視力障害者」の教育について考える意志があるのなら、まず在学中の「視力障害者」や受験生、盲教育関係者などと真剣に話しあって問題点の一つ一つを解決していく姿勢を示すのが本当ではないでしょうか。「盲人は何もできない」という偏見や無理解のために「視力障害者」の多くが教育や労働の場からしめだされているのです。最近の社会では隣で人が殺されても知らん顔しているといった利己主義と退廃が横行しています。しかし、そんな無関心がやがては自分自身にも被害をもたらす可能性のあることをはっきりと確認する必要があると思います。
また、本当に全ての人が平和に生きていくためには差別する者とされる者といった関係を全ての人がなくす努力をすることが必要なのです。
我々実行委は左にかかげる五つのスローガンをもとに署名運動や学校側との話し合い、学生による抗議などの運動を展開し、今年度の入試時には二度とこのような差別をさせない決意です。
この運動にできるだけ多くの学生や教授をかくとく(ママ)、また学校側に対して我々の運動のもりあがりを示すため当面は署名運動を展開します。できるだけ多くのみなさんが署名され、クラスやゼミなどの決議にあげ実行委に参加されて入学制度を白紙撤回させるまで共に運動しようではありませんか。
要求項目
一、「視力障害者」に対する入学制限を白紙撤回すること
二、「視力障害者」の為のリーディング室を設置すること。
三、図書館に点字の辞書類を置くこと。
四、点字タイプライター、テープレコーダー等の「視力障害者」の点訳、リーディングに最低必要な用具を保障すること。
五、すべての教授会は実行委との話し合いに応ずること。
毎、月、水、金、実行委員会
於 点訳サークルBOXPM.4時より
◆資料j:
盲学生五人会と共に視力障害者の学習保障を勝ち取ろう!竜谷大学に学ぶ全ての学友の皆さん!我々盲学生五人会と盲学生五人会を支援する解は視力障害者の大学に入学する際の入試の不平等の是正、【及】び視力障害者に対する学習保障を大学に要求する運動をしています。
そして、我々は去る十月二十一日に入試不平等是正など四項目要求を大学執行部に公開質問状として提出し、それに対する回答を十一月十五日に口頭で受けとりました。それが次に示すものです。
(一)入試における不平等を是正するための専門委員会を設置せよ
◎入試は選抜試験であり大学の教学の反映であるので教学内容を変えない限り現行の入試制度は変更する必要はない。
(二)点字図書の充実
◎現在の図書費用でまかなうことは不可能だが努力する
(三)リーディング(本を読んで聞かせること)室を設置せよ
◎視力障害者のためだけに全学友の費用(ママ)を使うことはできないので設置はしない。
(四)点字機、点字タイプライター、テープレコーダー等、点訳、リーディング活動に最低必要なものを女性すること。
◎現在の大学予算ではまかなうことはできないし、今後も予算上不可能である。
これらの回答から分かるように大学側は盲学生の実態を知ろうともせず、そこから生ずる一方的な誤解によって、盲学生に対する入試の不平等の是正及び、学習保障を一切しようとはしません。たとえば入試において必ず出題される漢字の部分であるが、点字は表音文字であるので漢字がないのである。それにもかかわらず大学側は入試は大学教学の適正試験であるので漢字【文】書は読めないとだめだというのである。だが盲人が漢字を読み書きするのは【技】術的にできないので、決して能力云々という問題ではないのである。それを書け読めというのは大学側の明白なる盲学生に対する就学拒否を示しているのです。我々として、本学の現状がきびしいことはよくわかっているし、それゆえ実現可能な最低限の要求をしているのです。それにもかかわらず大学側が居直り続けるならば、我々はこのような大学側の姿勢に抗議してゆかなければなりません。
全竜大生の皆さん!
この盲学生の学習権を克ち取る為に共に闘って行こうではありませんか。
盲学生への学習保障を要求し今回の大学執行部の回答に抗議する集会への多数の参加を呼びかけたいと思います。
時・十二月六日(金)十【】
所・図書館前広場
尚、この四項目を要求する署名活動を行っていますので、多くの支援を!
盲学生五人会
盲学生五人会を支援する会
◆資料j:
19721214 話し合い要求書、提出大学当局は十二月十四日、実行委に対して回答をしてきた。内容は「視力障害者の受験、入学は原則として制限はしない」といったものである。我々は、この回答を、この間一環として非妥協的に東京に対して追及してきた成果として踏まえるとともに、当局の我々に対しての論理の破産をおおい隠すものとして紙切れ一枚で処理しようとするものととらえ徹底的にその内実を問いたい。そして以下の文章をもって、大学当局に話し合いを要求する。
<要求書>
我々「「視力障害者」の入学制限に抗議する実行委は、今回の回答に関してその理由を昭かにする為に当局に対して我々実行委をはじめとする全ての学友との話し合いに応じることを強く要求する。
我々実行委は、今年度の入試に際し大学執行部および各教授会がくだした「視力障害者」に対する入学制限が「視力障害者」の教育権、人間としての権利を踏みにじるまったく不当なものであることを主張し、当局に三度にわたる公開質問状を提出した。にもかかわらず、当局はただの一度たりとも誠意ある回答を示さないばかりか十二月十二日の我々の全学抗議ストライキに対し、管理者的態度でのぞんできた。当局の制限理由である「保障ができない」や「設備が整うまでは」などがまったく欺瞞的なものであることは、我々の教授に対するある追及の中ですでに昭かになった。我々は大学執行部および教授一人一人に断固抗議するとともに、あなた方が犯した差別的行為を真剣にとらえ返し、全国のすべての「障害者」および竜大学友の前に自己批判することを強く要求する。あなた方の犯した行為は、紙切れ一枚の回答で決して免罪されない。
執行部は十二月十六日(月)十五大 十二時半より我々との話し合いに直ちに応じること。
竜谷大学執行部殿
十二月十四日
「視力障害者」の入学制限に抗議する実行委
◆資料l :
19721012 公開質問状公開質問状
昨年11月、大学執行部は各学部教授会に対し、「視力障害者」の入学に関する討議を依頼し、それを受けた教授会は「視力障害者」の入学を各学部1名に制限し、法学部については2名在学中のため、当分は入学を見合わせるとの決定を行った。そして、今年の2月執行部は代表として中垣教授、および教務課長を京都府立盲学校に派遣し、この決定を一方的に伝えた。我々はこの決定が明らかに「視力障害者」の教育権をはく奪する差別的なものであることをはっきり確認するとともに、この決定を白紙撤回することを強く要求するものである。更に、入学制限の理由が「視力障害者が増えると保障ができない」とか、「学内をウロウロされると危険だ」とかいうものである。これは「視力障害者」に対する無理解、無関心から生じたもの以外の何ものでもない。
大学側が、真に「視力障害者」の入学について考えているのなら、盲教育関係者や、もう学生と討論し問題の解決を計る(ママ)べきではないのか。我々「視力障害者」入学制限に抗議する実行委員会は、まず大学執行部に対し、直ちに我々との話し合いに応じ、我々の前に入学制限の理由を再度明らかにすることを要求する。更に、我々と共に今後の「視力障害者」の入学と学習について大学側ができるだけ最低限の保障についても率直に話し合うことを要求する。
なお、この質問状に対する解答(ママ)の期限をS.47年10月21日とする。
要求事項
一、「視力障害者」の入学制限を白紙撤回し、短大を含めて全ての学部の入学を認めること。
二、「視力障害者」の為のリーディング室を設置すること。
三、図書館に点字の辞書類を置くこと。
四、点字タイプライター、テープレコーダー等の「視力障害者」の学習活動に必要な用具を保障すること。
五、大学当局は、我々との話し合いにすみやかに応じること。
龍谷大学執行部殿
一九七三年十月十二日
「視力障害者」入学制限について抗議する実行委員会
◆資料m :
19721124 公開質問状昨年11月から12月にかけて、大学執行部側は、各学部教授会に対して、「資力障害者」の入学に関する討議を依頼した。それを受けた教授会は「視力障害者」の入学を各学部一名に制限し、法学部に於いては、二名在学中につき当分は入学を認めない。(句点ママ)との決定を行った。そして、今年2月、執行部は代表として中垣教授、および教務課長を京都府立盲学校に派遣して、この決定を一方的に伝えた。我々は、この決定が明らかに「視力障碍者」の教育【権】を剥奪する差別的なものであることをはっきりと確認するとともに、この決定を白紙撤回することを強く要求するものである。更に、入学制限の理由が「視力障害者が増えると保障ができない」とか「学内をウロウロされると危険だ」とかいうものである。これは「視力障害者」んじ対する無理解、無関心から生じたもの以外の何ものでもない。入学を希望する「視力障害者」の多くは、現在の竜谷大学に完璧な保障など期待してはいない。憲法で保障された、職業選択の自由も奪われ、あんま、はり、きゅう以外には殆ど進む道のない「視力障害者」にとって、大学進学はかすかな希望なのだ。今年の入試においても、この大学の不当な決定によって受験を断念せざるを得なくなった「視力障害者」のいた事実を大学執行部、および教授一人々々(ママ)はどう考えるのか。
大学側が真に「視力障害者」の入学について考えると言うのなら、まず盲教育関係者や盲学生と話し合い、具体的な問題の解決を計るのが当然ではないのか。我々「視力障害者」入学制限に抗議する実行委員会は、まず大学執行部、および各学部教授会に対してただちに我々との話し合いに応じ、入学制限の理由を再度明らかにすることを要求する。更に、我々とともに今後の「視力障害者」の入学、および学習について大学側ができうる最低の保障を【率直】に話し合うことを要求する。我々はこれまで二度にわたって公開質問状を提出したが、何ら回答をも得ていない。こうした不誠実な態度に断固、抗議するとともに、この公開質問状に関して誠意ある回答を示すことを強く要求する。なお、回答制限は11月24日、1時半までとし、回答は【深草】および【大宮】に提示すること。更に我々実行委員会宛に教務課へ提出することとする。
要求項目
一、「視力障害者」の入学制限を白紙撤回し、短大を含めたすべての学部の入学を認めること。
一、「視力障害者」のためのリーディング室を設置すること。
一、図書館に展示の【辞】書類を置くこと。
一、点字タイプ、ライター、テープレコーダー等の「視力障害者」の学習活動に必要な用具を保障すること。
一、大学当局は、我々との話し合いにすみやかに、応じること。
1972年11月24<提出日>
龍谷大学執行部、各学部教授会
「視力障害者」入学制限に抗議する実行委員会
以上の質問並びに要求に対し、教育者としての真摯なる態度で回答されんことを要請します。