『遡航』
001号 2022.03
『遡航』刊行委員会 /『遡航』
ISSN 2758-1993(online)
last update:20221203
■001号・PDF版
※HTMLでの提供を予定しています。そのことを含め種々・個々をどのように提供するか検討中ですが、上記でまず以下の全体を読むことができます。
※各論文・資料毎のPDFファイルは↓
■目次
◇緒言 立岩 真也 ……p.1 [HTML]
◇バークレーに行き、アジアから受け入れる――奥平真砂子へのインタビューから 権藤 眞由美 ……p.3 [PDF]
◇戦後から1970年代までの病床数から検討する国公立病床の担う役割の変容 酒井 美和 ……p.22 [PDF]/[HTML]
◇介護職員等によるたん吸引・経管栄養の法制化の経緯と論点の分析――「医療的ケア」をめぐる介護現場ニーズと医事法制の衝突・架橋の試み 鈴木 悠平・牧野 恵子 ……p.46 [PDF]/[HTML]
◇失敗に終わったとされたケア付き住宅建設運動――「川口に障害者の生きる場をつくる会」の軌跡 増田 洋介 ……p.74 [PDF]/[HTML]
◇龍谷大学「入学制限反対闘争」の記録――いかにして門戸は開かれたのか 山口 和紀 ……p.98 [PDF]/[HTML]
■緒言
原稿がたくさん査読で落とされる。査読をいちどでもやったことのある人はわかると思うが、それははかなりの部分、もっともなことだ。そのこと自体をどうこう言うつもりは、ここではない――そのうち言う。ここではそれより、そんなことをしている間に、あるいはその手前で怖気づいてためらっている間に、いやそんな仕組みがあろうとなかろうと、思いがあろうとなかろうと、とにかく、書かれないことが多すぎる。それがよくない。おびただしい過去のことそして現在のことが調べられ書かれることがないまま積み上がる。積み上がるならまだよい。知られず忘れられたことは、消えていく、あるいは最初からないことになる。それは未来の構想も痩せたものにする。誤らせることにもなる。
だから、書かれるべきものをまずたくさん書いてもらう。それを、何度でもやりとりし、よくしてもらって、よくなったら、載せていく。職業研究者になるつもりなどなく、査読なんかどうでもよという人には査読付きでないただの論文という形態でも掲載させてもらう。ただその場合でも、間違いを指摘し、意見を言い、よくなることを期待し、よくしてもらう。さらに、資料を資料として提示する、その営みにも場を提供する。
なにがよい、の基準になるのか。そのことについても考えることはあるが、それは、また次の号に、もっと長い文章で述べることにする。とにかく調べられ書かれることが、あまりに調べられ書かれていない。それはほんとうにまったくだめだ。それだけは確実に言える。それで、日頃忙しい忙しいと言っている人たちが、なんでわざわざこんなことをと言われるのだろうが、この雑誌は発刊された。ごくごく真面目に、言論状況全般が改善されるまで、1000本掲載されるまでは、続けていこうと考えている。
2022.3 『遡航』刊行委員会
立岩 真也
■出版社・書店を紹介
◆生活書院 https://seikatsushoin.com/
◆ハザ(Haza)書店 https://www.haza121.com/
野間秀樹『K-POP原論』/西川勝『増補 ためらいの看護』
UP:202203 REV:20220422, 0506, 0818, 1004, 1203
◇『遡航』